マタニティ(妊娠中/産後)
2014.12.15
「小さく産んで大きく育てる」はNG?妊婦さんの適切な体重管理とは
マタニティお役立ちコラム【「小さく産んで大きく育てる」はNG?妊婦さんの適切な体重管理とは】ナチュラルサイエンスのfor Mama & Kids Smileでは、ベビーやキッズ・マタニティ・美容や健康に関する役立つコラムを皆さまにお届けしています。
「小さく産んで大きく育てる」はNG?妊婦さんの適切な体重管理とは
出産について、「小さく産んで大きく育てる」という言葉があります。妊婦さんが体重を増やしすぎない方が、お産も楽で出産の際の危険も少ないと言われてきました。でも、妊婦さんの過度な体重管理のせいで、今、低出生体重児が多いのをご存知ですか?
「小さく産んで大きく育てる」は高度成長期の言葉です
1960年代頃の高度成長期は、「妊婦さんは2人分の栄養を取らないと!」と、とにかくたくさん食事をとるような風潮がありました。しかし、おなかも大きくなりむくみがちな妊婦さん。あまり太りすぎると、いわゆる妊娠中毒症などを引き起こしてしまいます。
そこでお医者さんたちが「あまり太りすぎないように」と注意を促したのが、「妊娠中は太らない方がいい」「赤ちゃんの体重は増やさず、小さく産んだ方がいい」という過度の注意として広まってしまったのです。実際に、生まれてくる赤ちゃんの平均体重は年々減少しており、低出生体重児(2500g未満で生まれてくる子)の割合も年を追うごとに増加しています。
小さく産むと確かにお産は楽。でも赤ちゃんには危険が!
妊娠中に体重を増やさず赤ちゃんが小さいと、それだけお産が楽で、ママの体型も戻しやすいのは事実です。でも、それが母子の体にいいかと言えば、それは別の話。ママが過度な体重管理をすると、赤ちゃんが将来心筋梗塞や糖尿病などの生活習慣病にかかるリスクが高くなると言われています(この考え方は、「成人病(生活習慣病)胎児期発症説」と呼ばれています)。
お腹の栄養が少ないと、赤ちゃんは低栄養状態に備えた体に
ママが妊娠中にしっかり栄養を取らないと、おなかの中は栄養が少ない状態に。赤ちゃんはその中で育つことで、栄養の少ない状態でも生きていけるような体になります。それなのに生まれてからはたくさんの食べ物をとるようになれば、太りやすいのは納得できますね。つまり赤ちゃんはエネルギーを蓄えやすく、それだけ将来生活習慣病になるリスクが高いと言われています。
太りすぎもよくありません、適切な体重管理を
では「妊娠中は太った方がいいのか」というと、もちろん太りすぎも良くありません。
妊娠中体重が増えることは自然なことですので、体重維持にやっきになってはいけません。しかし、急激な体重の増加も妊娠線の大きな原因となるだけでなく、母体や赤ちゃんの負担にもなってしまいます。妊娠中に大切なのは、取るべき栄養をしっかり取って赤ちゃんに栄養を届けてあげること。献立を工夫したり、適度な運動をしたり、バランスのよい食生活をこころがけましょう!
不安な方は、検診の度にお医者さんに体重について相談してみてくださいね。