ベビー(赤ちゃん)
2017.11.21
【教えてドクター】アトピー性皮膚炎になりやすい赤ちゃんっているの?予防法は?
ベビーお役立ちコラム【【教えてドクター】アトピー性皮膚炎になりやすい赤ちゃんっているの?予防法は?】ナチュラルサイエンスのfor Mama & Kids Smileでは、ベビーやキッズ・マタニティ・美容や健康に関する役立つコラムを皆さまにお届けしています。
赤ちゃんが肌をかゆがったりカサカサに乾燥しているのを見ると、「もしかして、アトピー!?」と不安になるママも多いはず。でも、そもそもアトピー性皮膚炎ってどんな病気なのか、いまいちわかりにくいですよね。そこで今回は、小児アレルギー専門医の杉山剛先生に、アトピー性皮膚炎についてお話をお聞きしました。
小児アレルギー専門医の杉山剛先生に、アトピー性皮膚炎についてお話をお聞きしました
Q そもそもアトピー性皮膚炎って?肌がかゆければアトピーなの?
赤ちゃんが肌をかいているとすぐにアトピー性皮膚炎を疑いたくなりますが、自己判断はやめましょう。アトピー性皮膚炎は、わかりやすく言うと「かゆみのある湿疹が、出たりよくなったりを繰り返す肌の病気」です。しかし、かゆみのある湿疹はあせもや脂漏性湿疹、乾燥性湿疹などの肌トラブルでも現れます。まずは、ご自宅でスキンケアをしつつ、お医者さんに相談することが大切です。
Q アトピー性皮膚炎になる子の特徴ってあるの?
アトピー性皮膚炎は複数の要因が重なり合って発症します。そのため「これが原因です!」とは断言ができませんが、どうやら発症しやすい子は皮膚の保水力が弱いようだということがわかってきました。肌本来のうるおい成分であるセラミドやNMF(天然保湿因子)を作り出す力が弱いようです。言い換えると、肌がカサカサしやすいお子さんは要注意です。そのほかの要因としては、アレルギーの原因となる物質(アレルゲン)との接触や、親御さんがアレルギー体質であることなどが挙げられます。
Q アトピー性皮膚炎を予防する方法は?
生まれてすぐからのスキンケアが、アトピー性皮膚炎の予防には大切です。2014年に国立成育医療研究センターの研究グループが「新生児からの保湿がアトピー性皮膚炎の発症リスクを3割下げられる」と発表しました。新聞にも掲載されたので、覚えている方も多いのではないでしょうか。さきほどもお話したとおり、アトピー性皮膚炎になりやすい子は肌本来のうるおい成分が不足しがちなので、スキンケアで外からうるおいを補ってあげることが特に重要です。
アトピー性皮膚炎に似た症状が出るあせもや脂漏性湿疹、乾燥性湿疹などの肌トラブルであればスキンケアで改善する場合もあり、軽度のアトピー性皮膚炎もスキンケアで軽快することもあります。いずれにしてもスキンケアをしておいて損はありません。「おはよう、歯磨き、スキンケア」、日々の赤ちゃんのお世話にスキンケアの習慣を取り入れてはいかがでしょうか。
Q スキンケアって何をすればいいの?
新生児からはじめたいスキンケアの基本は、「洗って」「保湿する」の2つです。以前は新生児の沐浴はガーゼでこすると言うのが一般的でしたが、肌のことを考えると、たっぷり泡立てた洗浄料で、肌をこすらないように手を使って洗うのが理想的です。そして、洗った後は保湿ケアが大切です。次の「あわ・もちスキンケア7か条」をぜひ参考にしてくださいね
あわ・もちスキンケア7か条
1.ガーゼは使わずママの手でやさしく洗いましょう
2.顔も泡できちんと洗いましょう
3.髪の毛(頭部)にはヘアシャンプー使いましょう
4.顔、胴体、手足には顔・体用シャンプーを使いましょう
5.洗浄料は良く泡立てて使いましょう(泡状洗浄料でもOK)
6.シャワーのお湯で流しましょう
7.お風呂あがりにはすぐにたっぷり保湿をしましょう
【参考動画をチェック!】
※写真をクリックすると外部サイト(YouTube)の動画再生画面が出ます※パソコンの設定によっては、自動的に動画が再生され、音声も出ますのでご注意ください
おわりに
今回はアトピー性皮膚炎についてと、その予防に重要なスキンケアについて、小児科のドクターにお話をうかがいました。赤ちゃんのスキンケアは肌のためだけでなく、タッチケアで親子の距離を縮めて絆を深めると、看護の観点からみてもメリットがあるそう。早速今日から、赤ちゃんのスキンケアを習慣にしましょう。
>赤ちゃんのスキンケア&アレルギー予防習慣が良くわかる!おすすめBOOKはこちら※ 参考
杉山剛『これが最新 赤ちゃんのスキンケアがよくわかる本』主婦の友社(2016)
監修
杉山 剛先生
社会医療法人杏嶺会一宮西病院小児科医。小児アレルギー専門医。
著書『これが最新 赤ちゃんのスキンケアがよくわかる本』主婦の友社